甲状腺疾患
バセドウ病の基礎知識
2019年7月30日 16:17
バセドウ病は、自己免疫疾患です。
本来は外来異物等を攻撃排除するための抗体が、誤って自分の細胞(バセドウ病ではTSHレセプター)を攻撃してしまっています。その結果、甲状腺ホルモンが過剰に作られ、動悸・イライラ・発汗・息切れ・食べているのに瘦せる・などの機能亢進症状が現れます。
病院では、甲状腺ホルモン(FT3・FT4)甲状腺刺激ホルモン(TSH)甲状腺刺激抗体(TRAb又はTSAb)の数値をもとに診断や治療を行っています。そして、治療は大きく分けて薬物、手術、放射線の3つの方法があり、メインとなる薬物療法では甲状腺ホルモンの合成を抑える薬が使われます。服用後は初期の薬物アレルギー、長期服用時の血管炎等の注意が必要です。
一般的に自己免疫疾患は治る病気ではなくコントロールしながら一生涯付き合っていくものとして捉えられいますが、バセドウ病は治る可能性の高い(再発は多い)病気です。治ったの判定は自己抗体がなくなったかどうかです。TRAb又はTSAbがマイナスとなり、その他のホルモン値も正常範囲内になれば薬を中止できます。(時間をかけて中止)
ある患者さんは、病院から処方されたメルカゾールを数年間服用されていました。抗体値は不明、甲状腺ホルモンは正常でしたが、疲れ・息切れが酷いとの訴えがあり、漢方薬と免疫調整剤をお渡ししました。その後、2~3ヶ月服用された頃には自覚症状も改善し、抗体値もマイナスとなったためメルカゾールは中止となりました。
このような治療例も珍しくはありません。現在通院中で治療についての疑問であったり、自分の状態がいまひとつ把握できていないなどの質問がありましたらお気軽にお尋ねください。