婦人科系・冷え・貧血
婦人病の基礎知識
2019年11月26日 16:01
古書には「婦人病は肝病である」と記載されています。”婦人病の多くは肝を病んでいる”の意味になるのですが、漢方で言うところの肝は、西洋医学の肝臓ではなく、肝臓を含めた様々な働きを指します。特に婦人病と関係するものは、疎泄作用(気の流れの調整・自律神経系の働き)と蔵血作用(肝は血液の倉庫・循環する血液量の調整)と言われています。
女性は月経があるため、血液の消耗・減少が大きく、蔵血作用も低下しやすくなる為、各臓腑への血液供給量が不足し、生理不順・不妊症へと繋がります。同時に、血の大切な働きである脳(精神)を養う作用も低下する為、イライラ・不安・うつ傾向などの精神活動への影響も見られるようになります。
「婦人病は肝病である」に対しての治療法は、”肝の気の流れを整え、肝の血の不足を補う”が基本です。養生に於いては、軽い運動や楽しいおしゃべりなどで自発的に汗をかき、お肉類も積極的に食べ、夜は早めに就寝することなど、心と身体を発散+補給+休息で整えましょう。
次回からは、具体的に症例をあげながら。もう少し細かくお話したいと思います。