内科の疾患
知恵袋シリーズは、毎月発行される情報誌チャイナビューのコンテンツの中にあります。その内容は、出来るだけシンプルな分類で尚且つ詳細な内容となっています。聞き慣れない漢方用語も読み続けているうちに慣れてくると思います。是非一度手にして頂ければと思います。
それでは、今回は「下肢静脈瘤」をご紹介します。下肢静脈瘤は、比較的女性に多く見られる症状です。放置しても特に問題はないものですが、足の静脈がコブの様に腫れたり、クモの巣状の細い血管が浮き出たりと見た目が気になる方は多いのではないでしょうか。
漢方では、静脈瘤を瘀血(血液の停滞)の診断基準として捉え重視しています。瘀血があるということは、身体の他の場所でもトラブルを起こしかねない状態ということにもなりますので、そのまま放置して置くのは心配です。
下肢静脈瘤の直接的原因は、静脈弁の機能障害です。その結果、血液の停滞・瘀血ができるのですが、更にそのベースには新陳代謝の低下があります。新陳代謝の低下は、気血不足・冷え・水分の停滞を伴います。「疲労で悪化する」「温めると楽になる」「むくみが強い」などの併発症状に合わせて、例えば、疲労で悪化タイプの方は気血不足の薬+瘀血の薬を選択していきます。
症例)50代の女性、静脈瘤があり軽いむくみと痛みの相談で来局されました。冷えると痛みが強いとのことでしたので、冷えの薬+冠元顆粒をお渡ししたところ、約3ヶ月には静脈瘤の痛みの改善の他、持病の頭痛・腰痛の改善がありました。
この様に下肢静脈瘤の対策は、全ての血管のケアに繋がります。各種脳血管障害・心疾患・腫瘍(塊)・痛み・肩凝りなどの改善も期待できるものです。放置せずに積極的に対応して頂くことをお勧めします。