胃腸科の疾患
潰瘍性大腸炎の漢方・中医学的な捉え方
2022年12月8日 17:22
潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症がおこり潰瘍ができる慢性炎症性疾患です。腹痛、血便、下痢の症状があり、長期的には関節炎や結腸癌の併発リスクが高くなると言われています。原因は不明とされていますが、通常腸管粘膜に存在する抗体産生細胞と異なる細胞が存在し炎症引き起こしていることから、自己免疫疾患(自分の免疫細胞が自分の細胞を攻撃する)の可能性が高いと考えられます。
西洋医学では、炎症の程度にあわせて様々な作用機序の薬が使われています。一般的には、この内科療法で寛解に導けますが、他の自己免疫疾患と同時に根本的な治療までは踏み込むことが出来ません。
一方、中医学的には、この炎症を「湿熱」(不要な水分と熱)として捉え「黄連解毒湯」「半夏瀉心湯」「参苓白朮散」などで炎症をコントロールしながら、免疫調節作用のある「カバノアナタケ(別名チャガ・シベリア霊芝)」などで根本治療を目指します。
潰瘍性大腸炎や類似疾患であるクローン病の治療の際には、必ず西洋医学と併用をしていただいています。炎症の勢いが強いときには漢方薬だけでは抑えられませんので、寛解から治癒を目指したい、西洋薬の副作用防止・相乗効果を期待したいときに併用すると良いと思います。