三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

精神・神経内科の疾患

認知症トピック NO1
2020年1月27日 17:48

2019年11月17日 日経記事。大脳には百億以上の神経細胞があり、これとは別に同等以上の数のグリア細胞があります。グリア細胞がうまく働かないと認知症など神経細胞に関わる病気を引き起こす説が有力になってきた。量子科学技術研究所は、アルツハイマー病のマウスの神経細胞に異常なたんぱく質が溜まり始めて1週間ほどで、ミクログリアが細胞ごとこのたんぱく質を取り込む瞬間を観察できた。 ミクログリアによって異常な神経細胞は取り除かれる。しかし、これが続くと脳は萎縮してしまう。研究グループは病気の進行度に合わせて、ミクログリアの働きを調整し、病気の進行を押さえられる方法を検討している。

 

<コメント>  免疫細胞の一種であるマクロファージは、異物排除の働きだけではなく、古くなった細胞・異常細胞などを処理する役割 お掃除屋さん細胞でもあります。各組織にはマクロファージの仲間の細胞があり、神経細胞においてはグリア細胞と呼ばれています。アルツハイマー型認知症は、様々な原因で起こる炎症に対応しているミクログリアが慢性的に働き続けることにより引き起こされるとしています。現在、新薬を開発中のようですが治療・予防の本質は慢性炎症を押さえることです。これまでの免疫治療薬の例からしても免疫細胞の働きをコントロールする方法は予想もできない重大な副作用引き起こす可能性もあり、慎重に様子を見る必要があると思います。

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