症例
長引く咳 / 身体の内側に冷えをともなう…
2025年4月8日 11:56
症例1. 80代女性
1ヵ月前コロナに感染後、咳が長引いている。クリニックからは吸入薬をもらっているが、なかなか良くならないので、漢方薬を使ってみたいとのことでした。
ご高齢であり、喘鳴や薄い色の痰があることから、身体の内側に冷えがあります。また、常日頃から浮腫みもあることから、冷え性体質でもあるようです。
温めながら咳を和らげる漢方薬をお渡ししたところ、咳はよくなりましたが、足の浮腫みも改善されたことを殊のほか喜んでいらっしゃいました。この薬を今中止すると浮腫みが現れてくる可能性があるので、地表(地面)が暖かくなる5月まで服用いただくよう提案しています。
症例2. 20代女性
慢性じんましんの治療をしている方。風邪を引いた後、咳だけが抜けないのでクリニックからもらった漢方薬を服用したが効いてない感じがする。今回は咳の薬もほしいとのことでした。
この方はもともと冷え性の方で、浮腫みがあります。乾燥を思わせるような乾いた咳をしていますが、時折鼻水も出たりしてるので冷えによる咳と診断し、症例1と同様に温めて咳を和らげる漢方薬をお出ししました。
5日間の服用により完治しました。
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一般的に、風邪の後半や咳が長引く場合は、炎症(火熱)で粘膜・組織の水分が消耗し乾燥状態となるため、潤して咳を和らげるのですが、冷え体質の人は異なる経過をたどることがあります。
特に、高齢者、アレルギーの方は、皮膚粘膜が乾燥しているように見えても、少し下の層・組織では水が溜まっていることがあります。この状態は身体の内側の冷えによるもので、温めて新陳代謝を上げ水分代謝を高める治療で良い結果がもたらされます。