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紫陽花の咲く梅雨の時期。雨が降り続くとじめじめして、体がだるい、やる気スイッチが入らない、憂鬱な気分になる方もいらっしゃいますよね。
中国では暑くて雨が多く、湿度が高い時期(立秋前の土用の頃)を長夏といいますが日本の梅雨と気候が似ています。
〔中医学から考える梅雨と湿邪の関係〕
中医学では、自然界に存在する六種類の異なった気候変化を六気(風・寒・暑・湿・燥・熱)といい、人体に影響を及ぼしますが、影響が大きくなり過ぎて、症状や病が起きた場合、六淫(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱(火)邪)に変化します。そして、梅雨は湿邪が湿気による病、体調不良を引き起こします。
〔湿邪の性質〕
①重く濁る → 体が重だるい、分泌物が増える(目ヤニが多い、吹き出物ができやすい)、尿の濁り
②粘りと停滞 → 湿疹(皮膚のトラブルで分泌物が多くジュクジュクする)便が粘りすっきりしない、病気や不調が長引き治りにくい(湿疹など)
③下へ向かう → 下半身の病、不調(下痢、軟便、泌尿器感染症、女性はおりものが多い、下半身のむくみ)
④脾(消化器)の運化に影響を与える → 消化器の水分代謝を低下させ、胃もたれ、食欲不振、おなかのはり、下痢、軟便、むくみが発生
〔対策〕
水分代謝をよくして、体に余計な水をため込まないことが大切です。
ウォーキングなどの軽い運動やストレッチなどで汗をかいて、湿を取り除きます。(ホットヨガやサウナなどで汗をかき過ぎると体の弱い方は、必要な気(エネルギ-)と水が体外に出過ぎてしまい、体力を消耗します。)
お刺身や生サラダ、ビール、冷たい飲み物、アイス、油っこいもの、甘いもの、味の濃いしつこいものを摂り過ぎると脾を傷つけ、湿邪を助長させます。あっさりした食材や調理法(蒸す、煮る)を選ぶといいです。
〔梅雨にお勧めの食材や生薬〕
「水分代謝を改善し、余分な湿を排出させるもの」
・大麦、玄米、ハト麦、小豆、黒豆、緑豆、えんどう豆、トウモロコシ(ひげも含む)、もやし、白菜、空豆、冬瓜、きゅうり、じゅんさい、なす、メロン、キウイ、すいか、ぶどう、あさり、しじみ、ハマグリ、海藻類、鮎、鯛、鯉、鱧、烏龍茶、コーヒー
・茯苓、ヨクイニン、車前子
「芳香成分の働きで湿を取り除き、胃腸の働きをよくするもの」
・カルダモン、オレンジ
・蒼朮、陳皮、砂仁、かっ香
「脾を健やかにするもの」
・アーモンド、さつま芋、じゃが芋、山芋、オクラ、タピオカ、枝豆、空豆、人参、ナツメ、栗、オレンジ、ライチ、りんご、鰯、ウニ、スズキ、鱧、砂肝
・山薬、黄耆、甘草、大棗、朝鮮人参、ヨクイニン、蓮子
「気(エネルギ-)を巡らすもの」
・紫蘇、玉ネギ、ピーマン、柑橘類
・陳皮、まいかい花、薤白、ういきょう
なお、食物で症状が改善しない場合、より効果があるのが漢方薬となります。
その際は、どうぞご相談下さいませ。
また、昨今の異常気象により、梅雨の時期でも急に高気温となり晴天が続く場合は、暑熱邪への養生が主となります。