三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

コラム

生薬のはなし・紫蘇子
2023年7月21日 10:27

私たちが普段食べている「紫蘇」は、葉、花穂、茎枝です。単に「紫蘇」と言うと、一般には葉をさし「大葉」「青じそ」「赤じそ」呼びます。紫蘇は、食用に適した時期を過ぎると、穂の実が熟して茶色っぽくなります。この穂の中から取り出した実を乾燥させたものを「紫蘇子(しそし)」と言い、漢方薬に使われます。

「紫蘇子」は、「止咳平喘薬」と呼ばれ、咳嗽、呼吸困難を軽減、制止します。

効能

①「降気化痰」上がった気を降ろし痰を除く : 咳のように肺の気が上がっている状態(本来とは逆向きに気が上がってしまっている)に用います。

②「平喘」呼吸困難、咳を改善する : 痰がたくさんでてゼロゼロしたり、痰が気道をふさいで咳がでたり、胸や呼吸が苦しくなったりする状態に用います。痰をなくすとともに、気を降ろして咳を鎮めます。

③「潤腸」腸を潤して便通をよくします。

「紫蘇子」を用いた処方として「蘇子降気湯」があります。

痰が多く胸苦しさを伴う咳、気管支炎、気管支喘息などにお勧めです。

 

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