三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

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子宮内膜症と免疫
2022年6月18日 14:33
投稿者:渡慶次保

子宮内膜症は自己免疫疾患です。(自分の免疫細胞が自分の細胞を誤って攻撃してしまう)

免疫の低下と過剰が関わるため、治りづらい病気のグループに入ります。

 

子宮内膜症とは、月経の際に生理血として剝がれ落ちるべき子宮内膜が、子宮以外の場所(卵巣・卵管など)に飛び散り、その場所に定着して炎症を起こしてしまう病気です。定着した子宮内膜症の組織は、通常の内膜のように剝がれ落ちないため、少しずつ蓄積され悪化していきます。

主な症状としては強い生理痛があります。黄体期に子宮内膜で産生される物質により、子宮が収縮して痛みます。また、内膜が引っ張られたりすることでも痛みが起こります。他にも頭痛・腰痛・排便痛・性交痛などの痛み関係の症状が起こりやすいと言われています。

原因については、月経時の生理血が逆流して他の場所に定着するという「移植説」が広く受け入れられています。どういう理由で逆流するのかは不明ですが、飛び散った内膜はその後は免疫細胞が働いて排除されるべきものなのですが処理できず、炎症が持続すると自己抗体(自分の細胞を攻撃する道具)を作ります。それが本来の子宮内膜にも影響して着床不全をおこし、更に癒着による卵管の通過障害も重なると、不妊症になってしまいます。また、卵巣がん・子宮体がん(子宮内膜がん)の発症リスクも高くなりますので注意が必要です。

 

このように子宮内膜症の初期段階においては、免疫細胞の機能低下が発症に大きく関わっています。その後、免疫の低下状態が続いて慢性炎症になると、今度は自己抗体が作られてしまい免疫過剰反応も加わり複雑な病態になります。

そのため、予防・治療のためには、免疫の低下を防ぐ・強化することが重要となります。そのポイントは3点です。

 

①冷やさない

下半身を冷やさないようにすることと、冷たい飲み物を飲み過ぎない。特に、飲み物は直接的に子宮を冷やすため局所の免疫を低下させます。夜はお風呂で身体を温めましょう。夏でも湯船で半身浴を…

 

②ストレスコントロール

ストレスが強い時や持続する時には、血管が収縮し血行が悪くなります。血行障害は、その場所の栄養失調や機能低下となり免疫力も低下します。軽めの楽しめる運動がオススメです。

 

③食事の見直し

動物性脂肪が多いとエストロゲンが増えると言われるため、動物性の脂っぽい食材を避けましょう。牛乳やチーズなどの乳製品もおすすめできません。また、便通を整えることで骨盤内のうっ血を防ぐことができるため、積極的に食物繊維を取り入れましょう。

 

西洋医学では、子宮内膜症は月経周期に合わせて増殖することから、低用量ピルを服用して月経を減らすことで症状の悪化を防ぎます。閉経まで服薬します。

当薬局では、排除すべき内膜組織を排出させ子宮を柔らかくする漢方薬と慢性炎症を抑えるための免疫調整剤を併せて治療をしています。大半の方が3~4ヶ月で反応していますので、お困りの人はご相談ください。

 

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