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生薬のはなし・竜眼肉・酸棗仁
2021年12月8日 10:46
竜眼肉(りゅうがんにく)
竜眼肉は、ムクロジ科リュウガンの果肉です。
ー働きー
薬理作用:補心安神、補脾養血、鎮静、健胃、滋養作用
臨床応用:主として神経衰弱で不眠、健忘、驚きやすい、動悸などの「心血虚」の症状があるときに用います。また、「虚症」の出血や病後の衰弱などに対する調整、補益に効果があります。
ストレスや思い悩み、考えすぎなどで脳に過度な負担がかかると心に影響して機能が低下し、「心血虚」の症状が現れることが多くなります。心は精神、意識、思考をつかさどっています。また、気血などのエネルギーが心神活動の基礎となります。「心血虚」になると、脳に気血などの提供ができなくなり、物忘れ、人の話を理解できない、眠りが浅い、不眠、焦燥、不安などの症状を引き起こします。
竜眼肉と一緒によく使われる生薬で、酸棗仁があります。
酸棗仁(さんそうにん)
酸棗仁はクロウメモドキ科サネブトナツメの成熟種子を乾燥したものです。
ー働きー
薬理作用:養肝、寧心、安神、斂汗
臨床応用:不眠に用いる。胸があつ苦しい、不眠などの症状で特に動悸、不安、自汗、盗汗などの症状があるものに適しています。精神安定と同時に滋養強壮作用があります。
竜眼肉、酸棗仁は、心血を養うことにより、精神、意識、思考を安定させ、睡眠の質を高める作用があります。
竜眼肉、酸棗仁を用いた代表的な処方としては「帰脾湯」「心脾顆粒」があります。