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コロナ感染後遺症について
2021年8月16日 15:54
新型コロナウイルス感染後の後遺症が話題になっています。倦怠感、臭覚・味覚障害、息苦しさ、脱毛、体の痛み、記憶障害等、様々な症状が半年以上も続く人もいるようです。その中でも倦怠感は、多くの人にあらわれており、西洋医学では、これをウイルス後疲労症候群と呼んでいます。
後遺症の主症状である重い倦怠感は、歩けない、横になりたい、など筋肉に力が入らない状態を訴えるようです。
漢方では、筋肉に力が入らないのは、脾虚によると捉えます。疲労・倦怠感は、脾虚の代表的な症状の一つなのです。
脾虚とは、胃腸の働きが十分ではなく、生命力(気力)を補充する大切な役割が果たせないために、筋肉を含め多くの場所でパワー不足になっている状態を言います。その為、脾虚体質の人は、免疫力も弱く、感染症にかかりやすく治りも遅い傾向にあります。
また、漢方的にコロナウイルスを分類すると、病邪としての性質は湿邪(湿気のように身体にまとわりつき排除しにくい)とされ、治しにくい傾向もあります。
治りにくい体質の人が、治りにくい病邪を受けるため、後遺症も長引くのかもしれません。
これまでに漢方臨床誌に発表された症例では、脾虚に配慮した生薬を使用して免疫力やパワー不足を改善し、更に血行不良に配慮した生薬を組み合わせ治療したものがあります、西洋医学的には対処法がないコロナ後遺症に対しての漢方的アプローチは試す価値のあるものだと思います。