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生薬のはなし シベリア霊芝
2021年7月8日 16:01
シベリア霊芝
和名:カバノアナタケ 別名:チャガ
ロシアシベリア地方の白樺林の木に生えるサルノコシカケ科のキノコ
生きた白樺の木に寄生し10年から15年かけて樹液を吸い、白樺のエッセンスをぎっしり蓄えて、最終的には白樺を枯らしてしまいます。マイナス40度以上にもなる極寒の地に生きており、極めて強い生命力、耐久力を持っています。
ー働きー
薬理作用:強精補気、補肝健脾、去痰、抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用
シベリア霊芝には、たんぱく質、脂質、糖質、エルゴステロール、ビタミン類、ミネラル、フラボノイド、リグニンなどが含まれています。
有効成分として、βグルカン、ベツリン酸、SOD様活性物質、エルゴステロールが注目されています。
βグルカン:免疫細胞を活性化させ、免疫力を増強させる
ベツリン酸:異常な細胞に対するアポトーシス(細胞自殺)誘導作用を持つ
SOD様活性物質:体の中の余分な活性酸素を除去する
エルゴステロール:天然のステロイド(炎症を抑える作用がある)と言われている
シベリア地方では、古くからお茶として飲んでおり癌の患者が少ないそうです。
マウスを対象とした研究で、シベリア霊芝を投与すると、ヒスタミンの放出が抑制され、アレルギー反応が低下することがわかりました。また、炎症性腸疾患を発症させたマウスに投与したところ、炎症に関わる物質が抑制され、腸の炎症病変を改善することが明らかになりました。
ー臨床応用ー
免疫調整、抗癌以外に、アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患。掌蹠膿疱症、尋常性乾癬など、難治性皮膚疾患。炎症性腸疾患、など多方面に臨床応用されています。