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生薬のはなし エゾウコギ(シベリア人参)
2021年6月10日 15:13
エゾウコギ
ウコギ科の落葉低木で、日本の北海道、朝鮮半島、中国、ロシアのサハリン、アムール地方に自生している植物。
北海道に自生することから、蝦夷地方に自生するウコギ科の植物としてこの名がつきました。
茎に鋭いトゲがあることから「刺五加」、アムール地方に自生することから、「シベリア人参」とも呼ばれています。
ー 働き ー
薬理作用:滋養、強壮作用 抗ストレス作用 精神安定 鎮静 安眠 自律神経調整作用。
1960年代に旧ソ連の研究により、抗疲労作用、抗ストレス作用、集中力増強などの薬効が見出され、特に、優れたアダプトゲン作用(生体にとって悪影響を及ぼすストレスに対して、環境適用力を高め、生体を守る働き)があることがわかりました。
さらに、モスクワオリンピックでは、メダルを独占したソ連の選手の多くがエゾウコギを飲用していたことや、宇宙飛行士が宇宙船内で飲用していたことで、世界的に注目されるようになりました。
エゾウコギの主成分である「エレウテロサイト」には、脳内の「幸せホルモン」と呼ばれる「β-エンドルフィン」の分泌を促進する働きがあり、強い抗ストレス作用があるとされています。
ー臨床応用ー
神経衰弱、PMS、更年期障害、心血管機能不全、脳動脈硬化症などに多く用いられます。(ストレス疲労を回復させて、諸症状を改善させる。血圧を上昇させずに気力を補うため、心臓や脳の動脈硬化にも汎用される。)
エゾウコギは、ストレス社会にもっとも必要とされる生薬の1つと言えるでしょう。
過度の疲労、ストレス、不眠、多夢、自律神経のバランスが乱れている方にお勧めです。