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水分の取り過ぎとめまい
2021年6月8日 18:16
近年の夏は、尋常でない暑さ、猛暑になります。テレビをつけると、熱中症予防のため水分を積極的に取りましょうの呼びかけがあります。
それでは、1日にどれ位の水分が必要なのでしょうか? 1ℓ、2ℓ?
何事も過ぎたるは及ばざるが如し。水分の取り過ぎも身体に悪影響を及ぼします。
昨年の夏に水分の取り過ぎが影響するめまいの漢方相談がありましたので、ご紹介します。
84歳の女性、1年以上前からめまいがあり耳鼻科へ通院されていますが、症状の改善が見られません。主治医からは脱水症予防のため水分摂取を指導されており、本人はしっかり水分を取っているということでした。(娘さん来局)
話を伺いますと、若い頃から水分をあまり取らない取りたくない方で、今は頑張って意識的に取るようにしているとのことでした。
このような体質の方は、水分代謝が悪く局所に水分を溜め込みやすい傾向があり、漢方ではこれを痰湿体質と言います。例えば、胃に水分が停滞すると食欲不振や吐気となり三半規管に停滞するとめまいが起こります。
この方には、漢方薬2種類を服用していただき、水分を今までの半分位まで控えるよう伝えました。それから一カ月後来局された際には、一年以上悩まされためまいがすっかり良くなりましたと喜ばれていました。水分の制限が治療の決め手となった症例で、制限をしなければ著効とはならなかったと思います。
この様に、必要な水分量は各自の体質、気候、生活環境に左右されます。新陳代謝も活発で筋肉量もあり、しっかり汗をかける人1日2ℓでも大丈夫ですが、基本はがぶ飲みはやめ、胃腸に負担をかけない量を少しずつ飲むようにすることです。(飲むは回数は多く)