三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

ブログの疾患

のどの咳(中医学病名:喉頭源性咳嗽)
2023年9月1日 15:58

一般的に咳は、肺・気管支に炎症があり、それが原因で起こるというイメージがあると思いますが、「のど」が原因となっているものも最近増加傾向にあります。

典型的なものは、喉の痒みや乾燥感・違和感が引き金となり発作性の咳がおこります。(単に咳だけのこともある) 水を飲むと緩和されることが多く、痰は出ないか有っても少量、肺の異常はありません。主にアレルギーが関与すると考えられいます。

 

 

<西洋医学的には>

のどの違和感(咽喉頭異常感)を伴う咳としては、「①アトピー性咳嗽」「②季節性喉頭アレルギー」「③咽喉頭逆流症」があります。①と②はアレルギーが関与するため抗アレルギー剤、③はいわゆる逆流性食道炎によるものなので胃酸分泌抑制剤が投与されます。一般的な咳止めは効果がありません。

 

<東洋医学的には>

西洋医学と同様にアレルギーの関与はあると考えますが、アレルギー要素が強いタイプの他にも、喉の乾燥感がある陰虚火旺タイプ、少し痰の絡む脾虚痰濁タイプ等に分類し、個々の体質症状に合う薬を選択します。

難治の症例も多いため、中国では針治療や喉への生薬注射なども併用して治療効果を高めているようです。

 

当薬局でも、咳が長引いたと相談に来られる患者さんで「のどの咳」と思われる人に対して、「アレルギー」「乾燥」タイプの薬を使い治療をした症例が数例あります。抗アレルギー剤や吸入薬を使っていても効果を感じない人はお気軽にご相談ください。

2023.7.30 上海中医薬大学耳鼻咽喉科教授・郭裕先生の専門講座「咳嗽の臨床研究」より

 

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