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ガン治療と制御性T細胞(ノーベル賞・坂口教授)
2025年12月22日 12:30
投稿者:渡慶次保

今年のノーベル生理学医学賞は、大阪大学の坂口教授が受賞されました。坂口教授が発見された「制御性T細胞」というものは、言わば免疫の交通整理をしている免疫のブレーキの役割を果たしています。

 

免疫を主る免疫細胞は、体内に入ってきた病原体や古くなった細胞を処理しています。

免疫細胞は活性酸素などの武器を使い異物など処理をするのですが、その攻撃が続くと周りの正常細胞までも傷つけるため、「攻撃止め」の合図を送る必要があります。免疫細胞の大半が攻撃タイプのアクセルであるのに対して、制御性T細胞は攻撃を緩めさせたり止めさせたりするブレーキとして免疫のコントロールをしています。

 

例えばガンの場合、正常細胞がガン化すると「私はガンになったからやっつけて!」と目印を出して免疫細胞に知らせます。その後、免疫細胞が駆け付けガン化した細胞を攻撃・処理します。

しかし、悪賢いガン細胞は、自分の住みやすい環境をつくることに長けているので、免疫細胞の攻撃を逃れるために「攻撃止め」の合図をする制御性T細胞を騙して自分の味方に付け、自分への攻撃を緩めさせたりします。

2018年にノーベル生理学医学賞を受賞された本庶佑教授は、ガン細胞が制御性T細胞を騙すために利用しているスイッチ(受容体)を発見しました。この発見も坂口教授の研究が基礎となり、本庶教授の研究にも繋がっています。

 

現在、制御性T細胞にアプローチしてガン細胞を攻撃強化する医薬品は、免疫チェックポイント阻害剤に分類され、今後も種類が増えてくると考えられています。

この免疫チェックポイント阻害剤は優れた医薬品ではありますが、副作用や使用するタイミングの問題などの解決しなけれならない点もあります。「副作用を軽くしたい」「抗がん剤の効き目をより確実にしたい」という方は、その弱点を補う免疫調整作用のある漢方薬・健康食品などもありますのでご相談ください。

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