三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

コラム

脂質の分類
2022年11月21日 11:43

餃子(20:1)、ポテトチップス(73:2)、クロワッサン(40:3)、何の数字か分かりますか。これは、最近、よく耳にするオメガ6とオメガ3の割合です。

脂質の主成分である脂肪酸の中で、体内で作ることが出来ない「必須脂肪酸」としてリノール酸が主であるものをオメガ6系とαリノレン酸が主であるものをオメガ3系と言っています。(以下オメガ=ω)

 

<脂質はどう分類されているの?>

脂質は、主な成分である脂肪酸によって分類されます。

体内で作ることができて固化しやすい飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は、エネルギー源としての役割がメインとなります。(ラード、バター、牛脂など)

体内で作ることができない多価脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、生体調節作用をおこなっています。(ω6 ダイス油、コーン油、ごま油など)(ω3 魚油、エゴマ油、アマニ油など)

 

<生体調節作用って?>

脂質が携わる生体調節作用は慢性炎症のコントロールです。

炎症は、外界からの異物(細菌・ウイルス)の侵入があると排除するために、また、古くなった自分の細胞を処理をする(新陳代謝)ために必要な生体反応と言えます。しかし、炎症が続くとアレルギー体質になったり、動脈硬化が進んだり、ガンにもなりやすい体内環境を作ることになります。(慢性炎症状態)

その炎症をコントロールできるのがω6系とω3系の脂肪酸です。炎症をおこすために必要な栄養素がω6系脂肪酸、それを抑えるブレーキがω3系脂肪酸、共に重要な栄養素になります。

しかしながら、現代人の食生活はブレーキが圧倒的に足りない危険な状態と言われています。

 

<脂質の摂取で気を付けることは?>

冒頭のω6系とω3系のバランスのように、普段の食生活においてはω6系が過剰になりやすく、理想的バランスの2:1には程遠い状態の人が多いと言われています。それを改善するためには、ω6系を減らすこととω3系を積極的に摂取することです。

肉や乳製品などの畜産物や加工食品・スナック菓子などはω6系が多い食品。これに対してお魚はω3系が豊富に含まれる食材です。同じω3系のえごま油・アマニ油などの植物性油は、体内で代謝されDHA・EPAへ変換されてから利用(変換効率8~21%程度)されるのに対し、魚油は直接に利用されるので、お魚の積極的な摂取がお薦めです。

魚が苦手という人には、サプリメントが良いと思います。

選ぶ際のポイントは、油が酸化していないもの、空気に触れずに精製・製造されたものがベストです。良質なものは、臭くなく飲みやすく、ダイオキシンなどの環境汚染物質も取り除かれています。魚臭いと感じる商品はやめた方が良いでしょう。(一般的な健康食品は汚染物質や不純物の精製が十分ではない傾向あり)

因みに、当薬局で取り扱っていますシーアルパという商品は、医療用EPA製剤の原料を作っている会社(日本水産)が製造しているもので、良品かつコストパフォーマンスにも優れています。ご興味のある方はお声掛けください。

 

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