三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

コラム

ストレスが長引くと副腎疲労に…
2024年3月28日 16:42

 

< ストレス反応 >

副腎疲労という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

精神的・肉体的・環境的ストレスがかかると、自律神経系ルートではアドレナリン、内分泌系ルートではコルチゾール(副腎ホルモン)が分泌され、危険回避(自律神経系)や健康維持のための恒常性維持(内分泌系)をおこないます。これがストレスに対する抵抗力(ストレス反応)となります。

ストレス反応によりコルチゾールが分泌すると、血糖・血圧・ミネラル調整、心臓の働きを正常に保とうとします。(恒常性の維持) 短期間ストレスであればコルチゾールの働きにより元気が取り戻せます。しかし長期的(3ヶ月以上)ストレスに晒されると、コルチゾールを出し続けていた副腎が疲弊・萎縮し、ホルモンバランスが乱れ、慢性的な疲労・精神不安・免疫力低下・胃腸症状が引き起こされます。

 

< 主な症状 >

1.とにかく疲れる。特に朝がつらく起きれない。何事にも億劫でスタミナがすぐに切れる。

2.小さなことでも落ち込んだりイライラしてしまう。うつっぽい。

3.夜になるとなぜだか元気になることがある。寝つきが悪い。

4.風邪にかかると治りが悪くなる。慢性炎症・アレルギー症状が悪化する。

5.便秘や下痢が続いたり、胃腸がスッキリしない。

 

< 副腎疲労の対策として >

精神的なストレスは脳の炎症、慢性病は肉体的ストレスであり慢性炎症です。ストレスとは炎症をおこす反応でもあります。

炎症があるということは、免疫を働かせて炎症を抑えるべき状態であるということです。

1.免疫力の65%が集中する腸の免疫を整える。つまり食養生です。腸に炎症をおこしやすい小麦粉や乳製品、砂糖、ファストフード、オメガ6系油を控えて腸内環境を整える。腸が元気なると身体のデトックスや栄養をコントロールする肝臓も元気になり、酷い疲労感が軽減されます。

2.精神的ストレスから一時的に逃避させ、疲労感を軽減させる睡眠も効果的です。また、腸脳相関という言葉があるように、腸の免疫が整えば脳の炎症症状(イライラ・不安)も軽減できます。

3.少し身体を動かす。遊びくらいの感覚で出来るものが良いです。これも免疫を働かせるためには有効な手段です。東洋医学では「気」を巡らせるための養生法として知られています。

 

< まとめ >

ストレスが長期化すると必ず副腎疲労になるわけではありません。体質によりなりやすい人とそうでない人に分かれます。体質的にストレスに弱い人は普段から唾液に含まれるコルチゾール量が多いようです。

副腎疲労は、副腎が萎縮しホルモンバランスが崩れている状態であり、主症状の他にも多岐にわたる体調変化を起こすことがあります。主症状がうつ病と似ていることから誤診されるケースも多いようです。抗うつ薬が効かない場合は副腎疲労も疑ってみてください。

元気になる食養生や質の良い睡眠がとれるように対策することで、副腎疲労の予防と治療を目指しましょう。また、より確実な予防をしたい、酷い疲労感がなかなか回復しないと感じる人は、ストレス炎症を改善する漢方薬や健康食品の力を借りると良いでしょう。きっとお役に立てます。

 

 

 

 

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