三才堂薬局 -漢方・免疫療法-

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秋の養生法
2024年9月6日 16:48
投稿者:渡慶次久美

ようやく暑さも落ち着いてきた今日この頃、酷暑の夏を乗り越えた身体の状態は、多量の発汗や睡眠不足により、潤いが消耗された状態で、紫外線や冷房により、肌も乾燥し、更に夏バテによる食欲低下の結果、栄養不足になっています。

こうした内燥(体内の乾燥)に加え、外燥(秋・立秋~立冬の邪気である自然界の燥邪)が身体に入り込むと乾燥の症状が進んでいきます。

〔燥邪の性質〕

①津液(体液)を消耗→口渇。のど、鼻、唇、皮膚の乾燥。髪のパサつき。尿少、便秘、コロコロ便。

②肺(呼吸器系、粘膜免疫系)を傷つけやすい→肺は、湿潤を好み乾燥を嫌う。空咳、痰が少なく出にくい。

③外燥と内燥がある

外燥

1.温燥⇒秋の前半で夏の暑熱邪が残っている+秋の燥邪 性質としては、熱邪に似ている。

2.涼燥⇒晩秋の頃で気温が下がり、秋の燥邪+冬の寒気を感じる。

内燥⇒大汗、出血による陰液(体液、血)の消耗、高齢による陰液不足

[対策]

秋は実りと収穫の季節ですが養生も「収を養う(収穫する)」となります。早寝早起きをして、精神の安定をはかり、穏やかに過ごし、その結果、陽気(エネルギー)を収めると同時に、代謝産物が体に溜まりやすくなるので野菜や雑穀を多めに摂り、適度な運動をして、汗をかくことが大切です。夏に失われた津液を補い、肺を健やかに保つのも要点となります。

 

[秋にお勧めの食材や生薬〕

「肺の陰液を補う」

・黒、白きくらげ、黒、白胡麻、胡麻油、豆腐、山芋、エリンギ、くわい、ほうれん草、クレソン、百合根、氷砂糖、梨、イチジク、林檎、びわ、柿、蜜柑、バナナ、カボス、オレンジ、銀杏、松の実、落花生、イカ、クラゲ、ぶり、蟹、牡蠣、貝柱、はまぐり、アワビ、なまこ、鴨肉、豚肉、豚の皮、鶏卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト

・玉竹、沙参、百合(百潤露)山薬、枸杞子、麦門冬、阿膠、烏梅

「髪の毛の陰血を補う」

・黒豆、黒米、ワカメ、長芋、ヒジキ、海藻、秋刀魚、鯖

・旱蓮草、女貞子(二至丹)、地黄

「温燥の時期のお勧め」

・梨、大根、豆腐、オクラ、くわい、ゴボウ

・沙参、菊花、麦門冬、葛根、桑葉

「涼燥の時期のお勧め」

・青ネギ、香菜、からし菜

・紫蘇葉、桔梗、荊芥、生姜

秋の養生ポイント・「酸甘化陰」

甘酸っぱいものを摂ると陰液が増えるといわれているので乾燥を防ぐために、甘酸っぱい果物や甘味と酸味のあるものを合わせて、摂ることをお勧めします。

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